2021年11月の記事一覧
誠和福祉高と常盤高の協調学習によるコラボ授業
埼玉県教育委員会が取り組んでいる「未来を拓く『学び』プロジェクト」では、本ブログでも度々紹介している協調学習による授業づくりを中心とした主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善に取り組んでいます。本日(11/26)、その取組の一環として、県立誠和福祉高校の福祉科の生徒さんと本校生徒とをオンラインでつないで、知識構成型ジグソー法による課題解決型の授業を行い、その様子を県教育委員会と東大CoREFの方々にご覧いただきました。
学習テーマは「自立に向けた排泄の介護」です。誠和福祉高の生徒さんは介護福祉の視点で、本校生徒は看護の視点でそれぞれエキスパート活動に取り組み、ジグソー活動では両校の生徒が合同でグループ協議を行い、その結果をクロストーク活動で共有する…という流れで学習は進んでいきました。
両校の生徒にとって、新たな視点や気付きがあったことと思いますし、多様な視点に触れることで学びも深まったことと思います。本授業をコーディネートしてくれた両校の先生方に深く感謝です!
両校の生徒に指示を出す本校の先生 オンラインで誠和福祉高の生徒と協議 県教委による授業の様子の撮影
看護科1年生対象オンラインによる病院見学
本日(11/26)、病院実習で日頃お世話になっているさいたま市民医療センターと本校とをリモートでつないで、看護科1年生の生徒を対象にオンラインによる病院見学を実施しました。病院のスタッフの方から、病院内の施設について、看護師の日常の仕事について、病院で働く様々な職種の医療従事者について、さらには病院での臨地実習における心構えについてなど、多岐にわたるお話しをいただくことができました。生徒たちも真剣な表情で、説明内容を一生懸命メモするなど前向きに取り組んでくれました。今後の臨地実習の際に今日学んだことをぜひ生かして頑張ってほしいと思います。
専攻科2年生「在宅看護課題研究発表会」
本日(11/25)の専攻科2年生の授業では、在宅看護実習を通して学んだ内容を踏まえて、在宅看護課題研究発表会をクラスごとに行いました。
各グループでそれぞれテーマを決めて、実習での経験と在宅医療に関する現状(統計データやアンケート調査結果等)とを統合し、より良い在宅看護の在り方や制度設計についてなどの提案内容をまとめ発表しました。先日看護研究発表会が終わったばかりなのに、このように新たな課題研究に取り組み発表内容をまとめることは、かなりの労力だったと思います。本当に常盤の生徒たちのポテンシャルはすごく高いし、生徒たちをここまで引っ張っている先生方の指導力も素晴らしいです!
以下に、各グループの研究テーマを紹介します。
〇2年A組
・「なぜ在宅看護が普及しない?」
・「在宅看護におけるコミュニケーションの役割」
・「ヤングケアラーの現状と対策」
・「日本の在宅医療の要因と改善」
・「在宅医療での看取りと精神的負担軽減に向けた提案」
・「在宅療養者増加に伴う看護師の人手不足」
・「介護離職を防ぐ方法の提案」
〇2年B組
・「コロナ禍の在宅看取りを増やすための提案」
・「コロナで増えた自宅療養者の心の支え」
・「災害時のオンラインが復旧するまでの支援の仕方」
・「より良い最期を迎えるために」
・「日本における在宅医療の現状と向かうべき未来」
・「訪問診療の普及の提案」
・「在宅看護とアドバンスケアプラニング」
クリスマスイルミネーション
今年のクリスマスまで、ちょうどあと1カ月となりました。本校事務室前の装飾は、先日からクリスマスモードとなっています。職員の方が心を込めて飾ってくれています。事務室玄関前の植え込みにある針葉樹にもオーナメントが飾られています。生徒たちやご来校いただいたお客様の目を楽しませてくれていることと思います。
専攻科1年生での知識構成型ジグソー法の授業
専攻科1年生の研究授業の一環として実施した知識構成型ジグソー法による授業の様子をご紹介します(本日(11/17)の「常盤ブログ♬」もぜひご参照ください)。
科目は「老年臨床看護Ⅱ」、内容は脳腫瘍の理解とその看護の在り方がテーマです。まず、先生から基礎的な知識についてのレクチャーを行った後、生徒たちは、脳腫瘍の患者やその家族に対して病態や治療法をどのようにわかりやすく説明するか…についてジグソー法により考察しました。
エキスパート活動では説明の際の観点ごとにグループで分かれて意見交換し、その後のジグソー活動ではそれぞれの観点を統合し説明内容をまとめ、クロストーク活動でグループがまとめた内容を全体共有しました。先生の作成したエキスパート資料がとても素晴らしく、また、意見交換の際のポイントも非常にきめ細かく配慮されており、生徒たちの学びは極めて高いレベルに到達したのではないかと私は見ていて感じました。
先生も授業の中で生徒たちに述べていましたが、病気になって不安、悲しみ、怒りの気持ちを抱えた患者やその家族の心情に寄り添いながら、どのようにわかりやすく説明すればよいのか…は看護師にとって永遠の課題だと思います。正解は1つだけではありません。このように「解」のない答えを追求していく学びを常盤高校ではあらゆる授業で大切にし、いろいろな視点や観点で生徒たちに考えさせています。
授業担当の先生、頑張った生徒たち…常盤教育の質の高さを見せてくれてありがとうございました!
先生による最初のレクチャー 3種類のエキスパート活動用資料 エキスパート活動の様子
エキスパート活動の様子 ジグソー活動の様子 クロストーク活動の様子
看護科1年生&専攻科1年生の「ピアエデュケーション」
11月もあっと言う間に折り返し点を迎えましたね。
本日(11/15)は、本校恒例のピアエデュケーションを実施しました。「ピア」とは「仲間」という意味で、学校においては「生徒同士、生徒相互の…」という文脈でよく用いられます。本校では、毎年、専攻科1年生が3つ年下の看護科1年生に対して、グループごとに分かれて母性看護の視点で性に関する指導を行っています。
専攻科1年生は、工夫しながら作成した自作教材を用いながら、性に関する知識のみならず、性を取り巻く様々な社会問題や人としての在り方生き方などに迫るような授業を行ってくれました。先輩である専攻科生徒からの指導やアドバイスは、看護科の生徒にとっても身近で当事者意識を高めてくれるものになったことと思います。
女子栄養大学による看護科教職実践演習
本日(11/12)午前、女子栄養大学の教職を目指す学生さんたちが、看護科教職実践演習の一環として本校を訪れ、看護科の授業をご覧いただきました。同大学ヘは本校専攻科修了生が編入学していたり、教育実習で学生さんにお越しいただいたりしており、本校とは深いつながりがあります。学生さんには、教室での座学(グループ学習)や実習室での看護実習の授業をご覧いただき、その後は看護科教員からレクチャーを行いました。
学生さんたちのほとんどは、すでに教育実習を経験し、また、採用試験も受考しており、もう間もなく教職の第一歩を踏み出すことになるとのことです。どの学生さんも真剣な表情で参加してくれて、私も嬉しく&頼もしく感じました。未来の教育を背負って立つ学生さんたちの今後のますますの活躍を期待しています。
JICA教師研修を生かした防災に関する授業
本日(11/11)、JICA教師研修に参加した本校の先生が、JICAの被災地研修で学んだ内容をもとに、災害時における女性の視点に立った防災に関する授業を専攻科2年生を対象に実施しました。JICAからも職員の方をお招きし、知識構成型ジグソー法を用いて、災害時の自助の在り方や女性視点での防災に関する具体策などについて考えさせる授業となりました。
授業の中では、生徒それぞれの日ごろのマイ備蓄を持ち寄ってお互いに共有し合ったり、災害時の女性の困りゴト解消策などをグループで協議したり、本校での水害を想定した避難訓練を行ったりするなど、生徒の当事者意識を喚起し、また、災害時の自助の在り方を深く考察することもできたのではないかと思います。生徒たちも真剣に授業に取り組み、質の高い活発なジグソー活動やクロストークが行われていました。さすが専攻科2年生ですね。今日の学びを「いざという時」にぜひ生かしてほしいと思います。
専攻科1年生宿泊研修に出発
本日から明日まで(11/11~12)、専攻科1年生は1泊2日で宿泊研修を行います。研修では、東京臨海広域防災公園(そなエリア東京)で防災体験学習ツアーに参加し、防災や災害から身を守ることなどについての学びを深めます。その後、横浜中華街の見学を経たあと東京湾アクアラインを通って千葉県に入り1泊し、明日は千葉県内を観光して埼玉に帰ってくる行程となっています。生徒たちには、防災学習を通して災害看護の在り方について考えてほしいですし、また、仲間と時間を過ごすことで親睦も深めてほしいなと思います。
今朝は、集合場所であるさいたま新都心バスターミナルまで生徒たちの見送りに行ってきました。雲一つない絶好の研修日和です。専攻科1年生の皆さん、コロナ対策に留意して有意義な時間を過ごしてきてくださいね!
集合しバスに乗り込む生徒たち 出発していくバス(と1人残される私) 宿泊研修のしおり
専攻科2年生「看護研究発表会」
今日(11/5)は、専攻科2年生にとってとても重要で大きな行事である「看護研究発表会」を、4つの会場をつかって1日かけて実施しました。生徒たちは、臨地実習での看護事例や実験研究などに関する綿密で丁寧な分析や考察に取り組み、その結果を論文として書き上げ、本日の発表会を迎えました。生徒たちにとって、常盤高校での5年間の学びの集大成を発表し合う栄えある機会となりましたが、そこでの発表は極めて内容が濃く素晴らしいものでした(本日の「常盤ブログ♬」にも詳細記事がありますので、そちらもお読みください)。
今の専攻科2年生が看護科から専攻科に進んだ昨年春は、ちょうど我が国でコロナの流行が拡大し始めたタイミングでした。専攻科生となり、これから更に高いレベルで看護の勉強に取り組み始めようとしたときに、学校が臨時休校になったり病院等での臨地実習ができなくなったりしたわけです。そのような困難な状況の中、心が折れることなく着実に学びを積み上げ、ここまでクオリティの高い論文を書いたことは本当に賞賛に値するものです。私は校長として、皆さんのことを心からリスペクトし、また、皆さんのことを誇りに思います。
発表内容もさることながら、発表後に行われた質疑応答(これがまた非常に活発!)においても質問に対して的確にわかりやすく回答するなど、プレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルにも大人としての貫禄が見られました。生徒たちのポテンシャルの高さに心の底から感動しました。ここまで生徒たちを育ててくれた先生方に最大の敬意を表します。
一方、今日は、看護師国家試験まで残りあと100日という日だそうです。発表会を終えてホッと一息というところですが…専攻科2年生の皆さん、これからは国試突破という目標に向かってまた突き進んでいきましょう!
生徒実行委員による開会式 第1会場(別館ホール) 第2会場(別館集会室)
第3会場(本校舎講義室) 第4会場(本校舎共通教室) 全論文が掲載された「看護研究集録」